医師の宿日直許可
(三重医報 第706号掲載)

 先月号では「医師等の宿日直・医師の研鑽」にかかる7月1日付けの厚生労働省労働基準局長通達をご案内しましたが、本号では、このうちの「宿日直業務」をもう少し詳しく説明します。

「宿日直」とは、ほとんど労働をする必要のない拘束時間であって、法的には次のような軽度な業務までは労働時間とカウントせず取り扱うことができます。

宿日直業務として取り扱える業務(所轄労働基準監督署長の許可が条件)

 医師が、少数の要注意患者の問診等による診察・軽度処置や、看護師等に対し指示・確認をしたり、来院が通常想定されない休日・夜間に少数の軽症外来・かかりつけ患者への状態変動対応のための問診による診察等を行うこと。
 看護職員が、来院が通常想定されない休日・夜間に少数の軽症外来・かかりつけ患者の問診・医師への報告、病室の定時巡回、少数の要注意患者の定時検脈・検温を行うこと。 その他宿日直許可要件を満たす業務従事。

 なお、医療法(第16条)で「病院には医師の宿直」が規定されていますので、該当する医療機関におかれては就業規則に「宿日直制度」を定めたうえで所轄労働基準監督署長の「宿日直許可」を受けておられると思いますが、今般の許可基準改正は、宿日直勤務中の突発的な時間外・休日労働の適正な労働時間管理を改めて求めているものでもあることにご留意ください。

 又、「宿日直」に関しては、労働基準法第41条(規則23条)に定めがあり、●宿直は週1回、日直は月1回まで宿日直手当は平均賃金1日あたりの3分の1以上18歳未満の労働者は不可としたうえで、「断続的な宿直又は日直勤務許可申請書(インターネット厚労省ホームページで様式ダウンロード可)」に記載事項を証明する資料(勤務者の賃金一覧・直近の賃金台帳写し、施設平面図、宿直室図面・写真、宿日直シフト表、就業規則写し、雇用契約・労働条件明示書写し、その他に労基署によって求められる関連資料)を添付して申請する手続きが通達等で示されていますが、今後に許可申請をお考え等の場合は、許可基準ご理解の趣旨からも、是非、当センターへご相談くださいませ。

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