医師の時間外労働短縮計画策定1(三重医報 第729号掲載)

医師の時間外労働短縮計画策定について1

 新型コロナウイルス感染症対策と共に、残暑の中の熱中症防止対策が快適職場作りとして求められる季節ですが、異常事態下でのオリンピック・パラリンピック開催とも重なる中で、特に、職員の健康確保・向上にご配慮をお願いいたします。

 先月号で、医療の効率的提供体制の確保・推進のために「医療法」等が改正されたことをお知らせいたしましたが、法律改正を受けて、令和6年4月1日からの「医師の時間外労働上限時間規制」の特例適用(36協定における年間960時間の上限時間を超える延長時間設定が可能)が認められることに関して県知事から「特定労務管理対象機関の指定」を受ける際にも提出が求められる「医師労働時間短縮計画」のガイドラインが、7月1日に開催された厚労省管轄の「第12回医師の働き方改革推進検討会」で審議され、新たに「医師労働時間短縮計画ガイドライン案」として修正されました。

 このガイドライン案では、法律施行(令和6年4月1日)前の期間にかかる計画策定を努力義務としていますが、法律施行後に「特定労務管理対象機関」の指定を予定する場合には、申請審査においては“事前の労働時間短縮対策も評価する”とも示していますので、実質的には、令和3年度後期~令和4年度前期頃を始期とし、令和6年3月31日を終期とする計画の策定が望まれます。

 また、法律施行後の特定労務管理対象機関指定には、引き続き「令和6年4月1日~5年以内の日を期間とする計画の案」を策定して、令和5年度まで(できる限り早く)に、令和4年度に新設される評価センターの審査を受けることになりますので、当然、法律改正後に「地域医療確保=B水準、他の医療機関への兼業=連携B水準、集中的技能向上=C-1・C-2水準」適用を予定する場合は準備を進めていただく必要があります。

 なお、医師労働時間短縮計画の「ひな型」及び「作成例(令和6年3月まで、及び、令和6年4月からの2例)」は、インターネット「医師の働き方改革推進検討会ホームページ」→「第12回令和3年7月1日会議」→「資料」でダウンロードできますが、現在の資料には疑問点もありますので、次号にも引き続き説明させていただきますが、医師の時間外労働上限時間規制への早期のご準備推進をお願いいたします。

〇 大学病院・その他の機関から「副業・兼業として勤務医受け入れ」の医療機関、医師の宿日直勤務のある医療機関におかれましては、労働時間短縮推進の関連要素が多いと思いますので、特に、ご相談等のセンターご利用をお待ちしております。

・・記事の中の種々解説は法的助言でなく、担当アドバイザー(加藤三郎)の技術的助言です。ご了承ください・・

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