労基法施行規則改正(三重医報 第734号掲載)

労働基準法施行規則改正について

 新年おめでとうございます。
 社会全体の生活・活動がなかなか“普通”に戻せない新型コロナウイルス感染症の状況の中、医療職務従事の皆さまには、人々の健康確保にご尽力を賜りまして感謝申し上げます。

 本月は、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指して令和6年4月1日から施行される改正労働基準法及び改正医療法の医師の時間外労働上限時間規制に関して、具体的な規制の在り方や労働時間短縮策についての有識者による検討を踏まえた労働基準法施行規則の一部改正今月中旬に公布されますことについてお知らせいたします。

 地域医療確保・臨床研修集中期等にかかる医師の長時間労働への対応につきましては、医師の働き方改革推進検討会における審議情報等を踏まえて逐次お伝えしておりますので、時間外労働限度時間規制が猶予されている現状での医師の勤務実態を踏まえた「令和6年4月1日からの時間外労働上限時間規制の適用」に向けてのご準備(特定労務管理対象医療機関・当該医療機関の特定診療業務従事医師→連携B・B・C-1・C-2水準として三重県知事からの指定を受ける準備、及び、一般診療対象医療機関・勤務医→A水準での時間外休日労働削減取組)を推進中と存じますが、公布される省令の特にご理解いただきたいポイントを以下にご紹介いたします。

  1. 労基法第141条により時間外労働上限時間の特例(年960時間等)が適用される医師は、病院・診療所で診療業務に直接従事する医師又は介護老人保健施設・介護医療院の勤務医(特定医師という)に限り、それ以外の医師は「一般則(医師以外と同じ)」適用であること。
  2. 特定医師の1か月毎の時間外・休日労働(合計)が100時間以上になると見込まれるときには、「医師による面接指導」を行い、本人に面接医師の意見を聞かせ、必要があるときは労働時間短縮等の措置を講じること。
    ※「1か月80時間以上の時間外労働で、疲労の訴えがある労働者への医師面接指導(労働安全衛生法第66条の8)とは別途の義務で、36協定に定める必要がある。
  3. 特定医師の36協定の時間外労働限度時間は、一般則と同じ1か月45時間・1年360時間」とされ、又、通常予見できない業務で臨時的に限度時間を超える延長時間は「時間外・休日労働合計の上限時間1年960時間」とされ、いずれも法定基準となった。
  4. 「連携型特定地域医療提供機関(医療法第118条)=大学病院等」の勤務医が他の医療機関に兼業勤務する場合の「地域医療確保暫定特例水準(連携B)の適用は、当該大学病院等からの「派遣に係るものに限る」とされたこと。

 省令(施行規則)は、インターネット(労働政策審議会労働条件部会→170回→資料)で検索できますので、詳細をご確認のうえ、疑問がある等のときは当センターにお問い合わせください。
 なお、関係する行政通達等が出ましたら、追って、情報提供いたします。

戻る

このページの先頭へ